発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006051513
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80歳以上の高齢者94症例(男性51例・女性43例)に施行した冠状動脈バイパス術(CABG)の早期および遠隔期成績を検討し,術後の患者の満足度,ADLの変化についてアンケート調査を行った.術式は人工心肺使用CABG 36例(CABG群;平均年齢82.0±1.97歳),人工心肺非使用CABG 58例(OPCAB群;83.0±2.48歳)で,術前17例に大動脈内バルーンパンピング・1例に経皮的心肺補助装置を要した.その結果,両群の比較では最大CK-MBがCABG群で有意に高値,挿管時間・在院日数がOPCAB群で短い傾向を認めた以外は差を認めず,病院死亡を4例(両群各2例)に認め,全体で4.3%であった.遠隔期成績は追跡期間平均927日(38~3297)で,累積生存率は3年81.1%・5年66.4%で,遠隔期死亡18例中心臓死は1例のみであった.患者アンケートでは85%が満足しており,38%でADLが術前より向上した.以上より,80歳以上高齢者に対するCABGは満足いく成績であり,OPCABは高いADLを保つための一方法と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005