CABG 2009年
心筋梗塞の外科治療 虚血性心筋症に対する合併手術 左室縮小形成術と僧帽弁形成術における術式の選択
石川 進
1
,
川崎 暁生
,
禰屋 和雄
,
阿部 馨子
,
鈴木 晴郎
,
久川 聡
,
上田 恵介
1帝京大学 外科・心臓血管外科
キーワード:
心筋虚血
,
治療成績
,
Batista手術
,
Dor手術
,
僧帽弁形成術
Keyword:
Treatment Outcome
,
Myocardial Ischemia
,
Mitral Valve Annuloplasty
pp.41-44
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009071785
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左室縮小形成術(LVP)あるいは僧帽弁形成術(MVP)を併施した冠状動脈バイパス術63例(男48例・女15例・平均68歳)の成績を報告した。内訳はLVP単独33例、MVP単独50例、LVP+MVP同時施行20例であった。LVPの術式は当初Dor手術であったが、13例中4例が在院死となったため、縮小部位に応じてBatista手術、over-lapping法も選択したところ、死亡は20例中1例となった。MVPは、前期23例では従来法を、後期27例では独自の乳頭筋サンドイッチ形成法を行った。術後早期の残存僧帽弁閉鎖不全症(MR)は前期が中等度1例、軽度10例、後期は軽度1例と有意に減少し、在院死亡は前期4例、後期2例であった。遠隔期(術後6~105ヵ月)死亡はLVP群2例、MVP群5例、LVP+MVP群4例であった。LVPではDor手術の3例が死亡した。MR再発率はサンドイッチ形成法が4%/患者/年と、従来法(15%)よりも有意に少なく、再発例では58%が死亡し、非再発例よりも有意に多かった。
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