ここまで進んだ! びまん性肺疾患の診断と治療 さまざまなびまん性肺疾患の診断・治療
リンパ脈管筋腫症
井上 義一
1
1国立病院機構近畿中央胸部疾患センター 臨床研究センター
キーワード:
肺腫瘍
,
臨床試験
,
医薬品承認
,
リンパ脈管筋腫症
,
Sirolimus
,
新薬開発
,
分子標的治療
Keyword:
Clinical Trials as Topic
,
Lung Neoplasms
,
Drug Approval
,
Lymphangioleiomyomatosis
,
Sirolimus
,
Drug Discovery
,
Molecular Targeted Therapy
pp.275-279
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016110049
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リンパ脈管筋腫症(LAM)は,妊娠可能年齢の女性に好発する進行性全身性の難治性希少疾患であり,平滑筋様細胞であるLAM細胞が腫瘍性に増殖し組織を障害する.腫瘍抑制遺伝子であるTSC1,TSC2遺伝子の異常が原因と考えられ,その結果,mTORの抑制が失われ細胞が増殖する.MILES試験,MLSTS試験の結果を踏まえて2014年7月にLAM治療薬として世界に先駆けてわが国でmTOR阻害薬であるsirolimusが承認された.本薬剤開発にはわが国が大きな貢献をした.mTOR阻害薬は,LAMとTSC患者にとって有用な分子標的治療薬であるが,肺移植はやはり最終的な治療といわれている.
©Nankodo Co., Ltd., 2016