発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008256281
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78歳男。5年前より労作時の動悸を自覚し、今回、出現頻度増加、失神発作を来たした。近医でのHolter心電図検査で発作性上室性頻拍、発作性心房細動、最長3.2秒の洞停止が出現する徐脈頻脈型(Rubenstein分類III型)洞機能不全症候群と診断され、ペースメーカ埋込み目的で当院入院となった。心エコーで冠状静脈洞(CS)の著明な拡大と、3度の三尖弁閉鎖不全症および右房拡大を認めた。胸部造影CTでは左上大静脈遺残(PLSVC)および右上大静脈欠損の所見を認めた。PLSVCを介した経静脈的リード挿入は困難と考え、左開胸下で心筋リード植込み術を施行した。術前CTで左室外側に挙上した胃を認めたため術中エコーを施行し、直下に左室が存在する傍胸骨第4肋間に8cmの皮膚切開を置いた。心筋リードは冠状動脈左前下行枝より内側の左室前面に2本固定した。術後心室頻拍などにより電気的除細動を頻回要したが、carvediol 10mg/日で改善し、8ヵ月経過して外来通院中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008