発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015042039
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83歳男。心筋症に伴う不整脈により薬物治療を行っていた。動悸、めまいを発症し、24時間心電図にて心停止が頻回にみられたため精査入院となった。入院時心電図にて洞調律で単発の心房性期外収縮(APC)(P')が見られたが、頻脈も心房静止(AP)も見られなかった。24時間心電図にて単発のAPCにてAPが出現していた。P波からAP中の洞性P波(P'')までは基本調律(P-P)のほぼ6倍であった。P-P'は心電図にて0.64秒、0.60秒、0.52秒と短縮し、P''-Pは0.04秒、0.16秒、0.24秒と延長していた。さらに、P'にて著明に長いAPが出現していた。His束心電図にて単発の心房刺激にてAPが出現し、頻回心房刺激にて長いAPが出現した。これらのAPとP''波出現時期をP-P間の倍数軸でプロットしてみると、P''は出現推定時期より多少早めに出現していた。単発のAPCが洞結節(SN)をキャプチャーし、SNはresetされ新しい洞調律が起こると考えられた。体内ペースメーカーの植え込みと薬物治療の併用を行い、経過は良好であったが、肺炎にて死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014