発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008103590
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67歳女。胃癌のため胃全摘術、摘脾術、胆嚢摘除術を受けた。術後補助療法は行わず、外来通院で経過観察となった。発熱と呼吸困難を主訴に近医を受診し、胸部X線像で気胸が疑われ、紹介された。左胸膜炎の診断で入院となった。左胸腔穿刺を行い、黄色混濁液を排出した。入院3日目の胸部X線像で左胸腔内に鏡面形成を伴う胸水貯留を認め、肺からの気漏あるいはガス産生菌によるものを疑った。CTでは左膿気胸が疑われ、胸腔ドレーンを挿入して持続吸引を開始した。嘔気、嘔吐が出現し、腸閉塞の診断にて絶飲食として輸液を行い、経鼻イレウス管を挿入して腸管の減圧を図った。胃癌の再発あるいは原発性結腸癌による横行結腸の完全閉塞の診断で、緊急開腹手術を施行した。胃癌再発による癌性腹膜炎が原因の結腸閉塞ならびに結腸胸膜瘻であると判明した。8ヵ月後、生存中である。
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