発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007114067
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
67歳女、息切れ、動悸を主訴とした。約15年前より高血圧症、高脂血症、高尿酸血症のため経過観察されていた。転倒して後頭部および腰部を強打し、徐々に労作時の息切れが増悪した。入院時、胸骨左縁第5肋間~心尖部にかけてLevine V/VIの全収縮期雑音を聴取した。胸部X線にて心拡大、肺うっ血、両側胸水を認め、心電図所見では胸部誘導でのST上昇を認めた。心エコーにて心尖部寄りの筋性中隔に欠損孔および左右シャントを認めた。MRIでも心室中隔の心尖部寄りに穿孔部を認めた。左室造影にて左右短絡率82%、肺体血流比5.3であった。外傷性心室中隔穿孔によるうっ血性心不全と診断し、利尿薬、ACE阻害薬内服を行った。症状や血行動態は安定したが肺体血流比が高値であったため、受傷後約4週に待期的手術を行った。左室切開で心室中隔に線維化の進んだ穿孔部(約2cm)を認めパッチ閉鎖した。術後、エコー上少量の遺残短絡を認めたが血行動態に問題なく、順調に経過した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007