発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007114053
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64歳男。運転中に意識消失となり、その後田んぼに落ちた。目撃者が駆けつけ呼吸停止を認めたため心マッサージを開始した。通報6分後に救急車が到着し、心肺停止とJapan coma scale 300を確認した。12分後に自動体外式除細動器で心室細動(VF)を確認し、除細動施行により1回で洞調律に復した。また通報11分後に到着した医師により静脈路の確保が行われ、24分後に当院に収容された。来院時、胸部X線にて心胸郭比56%、心拡大、肺うっ血を認めた。心電図で冠動脈疾患が疑われ、冠状動脈造影にて左主幹部に血栓、左前下行枝(LAD)#6と右冠状動脈#1の完全閉塞、回旋枝#11:75%、#13:90%狭窄を認め、大動脈内バルーンパンピング(IABP)を挿入した。来院1時間後に意識が回復したが心室性期外収縮(PVC)が多発し、血行動態が不安定であったため、on-pump緊急冠状動脈バイパス術を施行した。術後血行動態は安定し、5日後にIABPを抜去した。グラフトは3本とも良好に開存しており、脳合併症や心電図上PVCなどは認めなかった。心室性不整脈の予防のためcarvedilol hydrochlorideを投与し、術後5ヵ月現在、社会復帰している。
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