発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140451
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51歳女.右大腿部腫瘤を主訴とした.約6年前に気付いた右大腿近位部後面の腫瘤がバスケットボール大に増大した.腫瘤は弾性硬で疼痛などの症状はなく,単純X線では巨大な軟部腫瘤影が描出され,CT所見,MRI所見では筋肉内に存在する内部不均一の腫瘤が周囲の軟部組織を強く圧排し,一部外側ハムストリングへの浸潤を認めた.また,血管造影では腫瘍による大腿動脈の圧排,腫瘍内部の血管増生,腫瘍濃染像がみられ,切開生検にて悪性腫瘍と診断されたため,腫瘍切除を施行した.腫瘍重量は7,400gであり,病理組織所見では紡錘形ないし多角形の異型細胞が索状,放射状に増殖して細胞質内に脂肪滴を含んでおり,多形型脂肪肉腫と診断された.患肢温存の目的で2cmの広範囲切除となったため,術後放射線療法を併用したが,術後6ヵ月で再発・転移をきたし,4剤による化学療法2クールを行うも術後1年肺転移にて死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2005