発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006269248
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心拍動下冠状動脈バイパス術(OPCAB),on-pump beating冠状動脈バイパス術(CABG)における大伏在静脈グラフト(SVG)の中枢側吻合に使用したHeartstringの有用性を検討した.対象は34例で,OPCABが31例,on-pump beating CABGが3例であった.大動脈の著明な石灰化や内膜の高度肥厚性病変のために上行大動脈送血や大動脈遮断が困難と判断した大動脈病変例は,11例(32%)であった.1例(2.9%)は,腸管壊死のため死亡した.脳合併症は認めなかった.大伏在静脈グラフト(SVG)の開存率は97.5%(39例)で,吻合部狭窄は認められなかった.Heartstringは大動脈の部分遮断なしで吻合が可能であり,脳合併症を予防できる.大動脈高度病変においても,硬化のないスペースが径2.0mm程度あれば,Heartstring使用下の中枢吻合は可能だと思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2006