発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005166476
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75歳男.腹部CTで最大径約6cm大の腎動脈下腹部大動脈瘤,最大径約4cm大の右総腸骨動脈瘤を認めた.他に胃幽門部後壁にIIc病変(groupV),冠状動脈造影にて右冠状動脈#2,#3と左前下行枝#6に75%の狭窄を認めた.胸部CTでは左右冠状動脈の近位部と弓部下行大動脈壁に部分的な石灰化がみられ,上行大動脈壁全体には薄い石灰化像を認めた.これら冠状動脈病変,腹部大動脈瘤(AAA),胃癌(GC)はいずれも手術適応であった.安全性と年齢や全身状態を考慮し,まず2枝の非体外循環下冠状動脈バイパス術(OPCAB)をaortic connector systemを使用して行い,二期的にAAAに対する人工血管移植術と遠位胃部分切除術を同時施行した.GCの病理結果はstage Iであった.術後重篤な合併症は生じなかったが,全身倦怠感や食欲不振のためリハビリテーション進行が遅れ,第二期手術後1ヵ月半で独歩退院となった.退院3ヵ月後に心臓multi-detector row CTによりバイパスの開存を確認した
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