発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004140232
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急性心筋梗塞発症後,冠状動脈造影にて多枝病変を認めた2症例に対し,skeletonization法にて得られた両側内胸動脈(ITA)の末梢分枝をnatural Yグラフトとして用い,off-pump冠状動脈バイパス術(OPCAB)を施行した.症例1(66歳女).左前下行枝(LAD)#7は完全閉塞しており,経皮的冠状動脈形成術(PTCA)を行うも同部の90%狭窄と3枝病変を認めたため,5枝OPCABを施行した.LAD領域は心筋梗塞により血液需要は少なく,LADと対角枝(Dx)が直角になっていたため右ITAの分枝をLADとDxに吻合した.症例2(61歳男).重症3枝病変であり,右冠状動脈(RCA)#2に対しPTCAとステント留置を行うもRCA末梢に狭窄を認めたため,6枝OPCABを施行した.後側壁枝(PL)の間隔は狭く,2本とも99%狭窄にdelayを伴っており,左ITAの分枝を2本のPLに吻合した.2例はいずれもsequential bypassが困難と判断して分枝による再建法を選択し,術後経過は順調でグラフト撮影では良好な開存を確認した
©Nankodo Co., Ltd., 2004