発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004289034
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単独冠状動脈バイパス術(CABG)例20例を対象に,retrospectiveに超高齢者の冠状動脈病変に対する治療法について検討した.病院死は認めず,術前より脳梗塞合併例で寝たきりであった1例を除き,全例独歩で退院した.重症例で低心拍出量症候群を2例,3日以上の長期挿管を3例に認めたが,気管切開を要した症例はなかった.創部治癒遅延を3例に認めたが,いずれも糖尿病合併例であった.又,再開胸例は3例に認めた.発症すると重篤で経過が長くなると考えられる脳合併症は1例も認めなかった.入院期間は平均26日であった.動脈グラフトは合計23本で使用し,左内胸動脈を16本,右内胸動脈を2本,胃大網動脈を4例,左橈骨動脈を1例に使用した.静脈としては大伏在静脈を11本使用した.1例あたりの平均のバイパス本数は1.8±0.7本で,これは同時期に施行した70歳代のCABG例と比較すると有意に少なかった.しかし動脈グラフト本数は1.2±0.8本で,70歳代の症例と有意差はなかった.術後にカテーテルインターベンションを行ったハイブリッド例は5例であった
©Nankodo Co., Ltd., 2004