発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006105428
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
脳転移を有する非小細胞肺癌の外科治療と予後について検討した.対象は1980年~2004年までに手術した初発原発性非小細胞肺癌中の同時性に脳転移を有したM1症例40例で,組織型は腺癌20例,非腺癌20例であった.治療により肺・脳転移巣切除19例(A群:男性15例,女性4例・平均59歳),肺切除のみ9例(B群:男性7例,女性2例・平均68歳),脳転移巣のみ摘出12例(C群:男性10例,女性2例・平均58歳)に分けて比較した.その結果,B群で年齢が有意に高く,脳転移の複数転移が有意に多かった.肺切除のA,B群28例中20例(71.4%)にリンパ節転移(N1 6例,N2 14例)を認めた.A群では脳転移巣手術先行13例,B群では脳転移巣にガンマナイフ療法先行8例であった.中間生存期間(MST)は,性別で男性178日,女性608日,組織型別で腺癌504日,非腺癌92日,血清LDH値で高値151日,正常値465日,治療法でA群331日,B群151日,C群92日,肺原発巣切除群272日,非肺切除群92日であった.多変量解析では腺癌のみが有意な予後因子であった
©Nankodo Co., Ltd., 2006