発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006036379
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
68歳男性.患者は胸部不快感,動悸で近医を受診,心房細動と横隔膜ヘルニアを疑われ紹介入院となった.X線では左横隔膜の著明な挙上と内部に消化管ガス像を認め,CT・MRIでは心臓に接するように横隔膜が挙上し,内容は胃,大網,結腸,脾臓と考えられた.Holter心電図では発作性上室性頻拍(PSVT)が1日に152回発生し,最大心拍数は128/分であった.心エコーでは心臓に器質的病変は認めなかった.左横隔膜弛緩症と診断し,PSVTは横隔膜内に嵌入した腹腔内臓器の心臓への圧迫刺激によると判断して腹腔鏡補助下に手術を行った.横隔膜と腹腔内臓器の癒着はなく容易に還納できた.菲薄化した横隔膜を切除後,補強にテフロンフェルトを用いサンドイッチ状にマットレス縫合で閉鎖し,縫合線上にプロリンメッシュを逢着して終了した.術後経過は良好で,Holter心電図でも有意な不整脈は認めなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2005