発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005190865
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59歳男.腹部膨満および起坐に伴う呼吸苦を主訴とした.49歳時,横隔神経合併切除を伴った左縦隔腫瘍切除術を受けていた.術後7~8年頃から左横隔膜の挙上を指摘され,横隔膜弛緩症と診断されていたが,無症状のため経過観察となっていた.胸部単純X線像,胸部CT像では,左横隔膜の著明な挙上に伴う胃泡,および腸管ガスの胸腔側への偏移と,縦隔および心陰影の右側への偏移を認めた.開胸すると,横隔膜は膜状に全体が菲薄化しており,腹腔内臓器により頭側に著明に押し上げられていた.横隔膜を切開し,腹腔内臓器の損傷に注意しながら横隔膜を縫縮した.更に,再発予防のため,Marlexメッシュを用いて横隔膜を補強した.術後症状は軽減した
©Nankodo Co., Ltd., 2005