発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006034941
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71歳男性.患者は胸痛で近医を受診,心電図上で下壁の急性心筋梗塞と診断され,心不全併発により内科的に治療を行ない,軽快後,著者らの施設へ入院となった.心電図では心房細動,不完全右脚ブロック,II,III,aVF,V6に陰性T波を認め,心エコーでは左室後壁のakinesisと同壁内に心室瘤を認めた.MRIでは心室瘤壁に周囲心筋と連続する筋層を認め,心カテーテル検査では左前下行枝に75%,左回旋枝#2に90%,#3に99%の狭窄と心室瘤より末梢側の#15が収縮期に圧排され消失する所見を認めた.後壁の心筋梗塞に合併した偽性仮性心室瘤と診断し手術を行った結果,瘤内に血栓を認め,瘤壁は線維化・瘢痕化した筋層で構成されていた.そこで,瘤入口部に自己心膜パッチを縫着し,瘤壁切開部を縫合閉鎖した.術後の左室造影では左室瘤の消失が確認され,経過良好にて術後17日目に退院となった
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