発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006004188
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
80歳男.3年2ヵ月前に右下葉扁平上皮癌にて右下葉切除術(pT1N0M0,IA期)の既往がある.2年3ヵ月前から右#4リンパ節の腫大を認め紹介来院し,放射線治療(右肺門~縦隔,60Gy)+化学療法(cisplatin,fluorouracil)を同時施行され効果は部分緩解で,腫瘍が徐々に増大しさらに化学療法(carboplatin,paclitaxel)を3コース追加したが不変であった.以後,化学療法拒否のため外来にて経過観察していた.今回,上大静脈症候群をきたし上大静脈にステントを挿入されたが,嗄声,喘鳴と呼吸困難が増強したため緊急入院となった.入院時,気管支鏡所見では気管分岐部上で50%程度狭窄し,癌が前壁から両側主気管支内腔に浸潤し右主気管支には80%の狭窄が認められた.治療は主気管支をマイクロターゼ40W・3秒にて焼灼後,気道の再狭窄予防目的で気管分岐部をKTPレーザー5.0Wで焼灼してウルトラフレックス気管ステントを狭窄部上から気管分岐部上まで挿入した.術後6ヵ月の現在,呼吸困難は消失し排痰も良好である
©Nankodo Co., Ltd., 2005