発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005223326
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1(49歳男性).前胸部痛,胸部絞扼感を主訴とした.近医で大動脈弁閉鎖不全(AR),労作性狭心症と診断された.症例2(45歳男性).労作時の動悸,息切れを主訴とした.心不全症状が出現するようになり,入院となった.両例とも初期梅毒の症状はなく,入院時血液検査で梅毒を指摘された.梅毒性大動脈炎による冠状動脈入口部狭窄には,入口部に限局性の高度な狭窄が存在し,末梢冠状動脈に狭窄がなく,高頻度にARを併発するという特徴があり,2例ともにこれらの所見が認められた.緊急に大動脈弁置換術,冠状動脈バイパス術を施行したが,選択的順行性冠灌流に逆行性冠灌流を併用し,心停止を得ることができた.術後経過は良好で,合併症もなかった.大動脈弁組織に線維成分の増生,粘液腫様の変化が認められた
©Nankodo Co., Ltd., 2005