発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005223325
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鋭的頸部外傷例のうち,頸部気道損傷合併の4症例を対象に検討し,特に初期診断,気道確保とその後の気道管理について文献的に考察した.受傷機序は自傷3例,作業時の電動鋸によるもの1例であった.2例がショック状態であり,1例は頸動脈での脈拍を触知しなかった.全例開放創からの出血混じりの空気漏れを認め,2例に皮下気腫を認めた.救急室で開放創からの直接気管挿管,経口気管挿管,緊急気管切開,手術室で経口気管挿管各1例により気道を確保した.初診時,3例は胸部単純X線検査を施行できたが,全例CT,気管支鏡は施行できなかった.気道損傷に対しては,全例,洗浄,デブリドマン,一次縫合を行った.2例は損傷部を気管切開チューブ挿入口とした.他の2例は受傷部から下位で気管切開を行った.3例には頸部以外にも損傷臓器があり,加療した.脈拍を触知しなかった1例は死亡した.1例で前回自傷時の喉頭変形が残存していたが,他の2例は気道の合併症は認めなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2005