発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005190852
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74歳男.3枝病変の心不全のため,Symmetry aortic connector system(ACS)を用いたoff-pump冠状動脈バイパス術の適応となった.ACSは,大伏状静脈-#4房室枝の中枢吻合に使用した.術後第5病日までの経過は良好であったが,第6病日に突然の呼吸苦,胸痛が出現し,胸部CTでA型大動脈解離を認めた.脳血管病変の合併があるため手術的治療は不能であり,血圧コントロールを開始したが,第7病日に死亡した.剖検では,上行大動脈の右側壁外膜に直径2cmの破裂を認めた.内腔には,ACSの装着部位に一致してentryを認めた.ACSは大動脈の動脈硬化が強い症例において有用であるが,合併症を生じる可能性にも留意する必要があると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2005