発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005089236
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肺悪性腫瘍手術時の予防的抗菌薬投与期間について検討した.対象は肺悪性腫瘍に対して第1群以上のリンパ節郭清を伴う肺葉切除術,または肺区域切除術を施行した連続40例とした.抗菌薬の第二セフェム系cefmetazole sodiumを手術当日~術後1日の2日間投与するA群と,手術当日~術後6日までの7日間投与するB群に無作為に20例ずつ振り分け,臨床所見を統計学的に比較した.症例の背景に両群間に有意差は認めなかった.術後感染症合併例はA群4例(20%),B群6例(30%)と有意差を認めず,その内訳はA群が肺炎4例で,B群が肺炎5例,膿胸1例であった.創感染は両群とも発生せず,手術死亡・在院死亡例も無かった.術後平均在院期間はA群15.5日,B群18.6日と有意差を認めず,周術期における体温の推移,WBCおよびCRP値の推移も両群間に有意差を認めなかった.費用対効果の点から,術後1日までの投与の方が好ましいと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004