発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005055333
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急性心筋梗塞に対して心拍動下冠状動脈バイパス術(OPCAB)を施行した21症例(男性15例・女性6例,平均年齢64.2±10.4歳)を対象にその有用性について検討した.冠状動脈病変は左冠状動脈主幹部(LMT)病変7例・3枝病変6例・2枝病変3例・1枝病変5例で,梗塞責任病変はLMT7例・左前下行枝10例・左回旋枝1例・右冠状動脈3例であった.手術では手術室入室前にPCPSを行っていた4例と麻酔導入直後にショック状態となった1例を除く16例でOPCABを試みた.その結果,2例でOPCAB中の心臓展開時に血圧低下をきたしon-pump CABGに移行し,術前よりPCPS使用の1例で心拡大が著明なため人工心肺使用下のOPCABを行った.バイパス術は1枝を5例・2枝を7例・3枝を6例・4枝を3例に施行し,完全血行再建が20例(95.2%)で得られた.予後では手術死亡が4例(多臓器不全3例・心室細動1例)で,OPCABで血行再建が可能であった14例は全例軽快退院可能であった
©Nankodo Co., Ltd., 2004