虚血性心疾患の最近の話題 虚血を見逃さない臨床から分子生物学まで
急性冠症候群の課題 急性心筋梗塞診断におけるバイオマーカーと心電図の重要性
小菅 雅美
1
,
木村 一雄
1横浜市立大学附属市民総合医療センター 循環器内科
キーワード:
生物学的マーカー
,
Creatine Kinase
,
心筋梗塞
,
心筋疾患
,
心電図
,
病歴聴取
,
Troponin I
,
時間因子
,
Troponin T
,
急性冠動脈症候群
Keyword:
Creatine Kinase
,
Electrocardiography
,
Medical History Taking
,
Myocardial Infarction
,
Cardiomyopathies
,
Time Factors
,
Biomarkers
,
Troponin I
,
Troponin T
,
Acute Coronary Syndrome
pp.401-407
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010305905
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臨床上の心筋虚血所見(病歴、心電図所見)に一致して心筋壊死が確認された場合に急性心筋梗塞と診断される。心筋トロポニンは急性心筋梗塞の診断にもっとも有用な心筋マーカーである。超急性期は心筋マーカーの上昇を認めないことも少なくなく、症状と心電図所見から診断する。しかし、発症早期ほど心電図診断も難しい。高感度トロポニンにより急性心筋梗塞の超急性期における診断精度が向上する可能性がある。症状から急性心筋梗塞を疑う場合、軽度の心電図変化も見逃さないようにする。一見、明らかな心電図変化がないようでも以前の心電図や時間をあけて取り直した心電図と比較することで診断できる場合がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2010