発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005051666
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胸膜肺摘除術例を提示し,施術に際しての一般的な注意点を述べた.胸膜肺摘除術は肺摘除術よりも侵襲が大きいが,一側肺および胸腔内に限局する良性疾患から悪性疾患まで病巣に対する局所療法として必要不可欠な術式である.施術にあたっては十分な視野を確保するため,病巣を安全・確実に切除するためのアプローチ法を使い分け,視野不良や切除困難の場合には追加開胸,追加切開を躊躇なく行うことが肝要である.また,胸膜外剥離において悪性腫瘍の浸潤が疑われる場合には遺残がないように胸壁・心膜・横隔膜合併切除を併用し,確実に病巣を切除するとともに悪性細胞を胸腔外に散布しないよう留意する必要がある.さらに術中,大血管,気管支動脈,肋間動脈などの損傷には十分に注意し,術前から術後に至るまでのより細かな管理が要求されると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2004