発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005017156
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51歳男.発熱を主訴とした.眼科で原田病治療としてステロイドパルス療法を施行され,退院後翌日,悪寒・戦慄を伴った40度の発熱のため再入院した.抗生物質治療を行ったが無効で,血液培養からMRSAが検出され,敗血症による播種性血管内凝固を併発した.心エコーで僧帽弁に巨大な疣贅を認め,感染性組織は完全に弁輪に達していた.活動期の状態であったが,内科治療無効のため僧帽弁人工弁置換術を緊急に施行した.術後の循環・呼吸動態には問題なかったが,第2病日から経口摂取を開始すると右下腹部痛が出現した.絶食のみで比較的速やかに腹部症状は消退したが,食事を再開すると腹痛が再発し 腹痛の決定的所見も得られなかった.状態がある程度改善した2ヵ月後,経口摂取を行ったところ汎発性腹膜炎をきたし,緊急手術を施行した.回盲部腸管に穿孔部を認め,回盲部を切除した.病理組織所見で,虚血生潰瘍およびその穿孔と診断された.術後経過は良好である
©Nankodo Co., Ltd., 2004