発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016323943
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51歳女。大動脈基部拡大と重度僧帽弁閉鎖不全症に対して大動脈基部再建術+僧帽弁形成術を施行中に医原性大動脈解離を生じた。解離に対して追加処置を行うことも検討したが、大動脈遮断時間と人工心肺(CPB)時間の延長を伴うため得策ではなく、また、これ以上の手術侵襲は術死の危険性があると考えられた。CPB中に経食道心エコーで下行大動脈に偽腔を認めており、この偽腔は流速が乏しい所見であったことから、CPB離脱で偽腔の血栓化が期待できると考え、早期のCPB離脱が妥当と判断した。結果として、Protamine sulfateと血液製剤の使用で偽腔への血液流入はなくなり、その後の経過も概ね良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2016