発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004234820
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76歳男.臨床病期IBの肺扁平上皮癌の診断で左下葉切除,およびリンパ節郭清(ND2a)を受けた.術直後には多量の肺瘻が出現したが,水封部での陰圧が確認されるようになったため,保存的に経過観察を行った.術後数日より複視と眼瞼下垂を示した.頭部CTでは,左右のinfratemporal fossa内に空気像を認め,左眼窩内側のextraconusの部位にも点状の空気像を認めた.その後の肺瘻停止に伴う皮下気腫の消退と平行して複視と眼瞼下垂は急速に改善した.肺手術後の肺瘻に伴い予期しがたい合併症を生じる可能性があり,その管理には慎重を期すべきだと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004