発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008148975
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2002年1月~2006年8月の期間に右内胸動脈(RITA)を橈骨動脈(RA)で延長するI-composite graftを用いて心拍動下冠状動脈バイパス術(OPCAB)を施行した37例(男32例、女5例、平均67.4歳)を対象として、その手術成績を検討した。平均バイパス枝数は3.1±0.7(2~5)本、RITA-RAグラフトの遠位側吻合数は48(平均1.3)枝であった。34例で術後グラフト造影を施行し、RITA-RAグラフト1枝の閉塞を認め、近接期の開存率は97.9%であった。術後グラフト造影を行わなかった3例には負荷TI心筋シンチグラムで虚血のないことを確認した。大動脈バルーンパンピングを5例(13.5%)で用いたが、第2病日までに離脱した。24時間を越える術後人工呼吸管理を1例(2.7%)に要した。同種血輸血回避率は86.5%(32例)であった。術後脳梗塞、縦隔洞炎、前腕創合併症は認められなかった。手術死亡、入院死亡はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008