特集 臓器代謝ネットワーク:分子機構とその破綻による病態から臨床的意義まで
【第2部】臓器間相互作用の破綻と疾患 臓器連関とがん転移前土壌形成
富田 毅
1
,
丸 義朗
1東京女子医科大学 医学部薬理学教室
キーワード:
腫瘍遺伝子発現調節
,
骨髄細胞
,
細胞間コミュニケーション
,
疾患モデル(動物)
,
腫瘍
,
腫瘍転移
,
Calgranulin A
,
CD11b抗原
,
Ephrin-A1
,
Toll-Like Receptor 4
,
SAA3 Protein
Keyword:
Bone Marrow Cells
,
Cell Communication
,
Disease Models, Animal
,
Neoplasm Metastasis
,
Neoplasms
,
Gene Expression Regulation, Neoplastic
,
CD11b Antigen
,
Ephrin-A1
,
Calgranulin A
,
Toll-Like Receptor 4
,
SAA3P Protein, Human
pp.508-511
発行日 2014年4月22日
Published Date 2014/4/22
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腫瘍組織中にはがん細胞だけでなく,多数の正常組織由来の細胞が存在する.それらの細胞間では,相互作用が活発に行われており,あたかも独立した集合体として見なすことができる.これまでの研究から,がんの増殖・浸潤・転移は,腫瘍組織-骨髄-遠隔臓器の臓器連関によってもたらされていることが明らかとなっている.がんの転移においては,がん細胞が実際に転移先の臓器に到達する以前に,骨髄由来細胞が遠隔臓器に動員され,遠隔臓器で一種の炎症様反応(自然炎症)が生じる.この自然炎症によって,転移先臓器での血管透過性亢進や免疫反応抑制など,がん転移を有利にする土壌(転移前土壌)が形成されている.
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