特集 疾患エクソソーム:病をもたらすパンドラの箱がいま開かれる
【第2部:エクソソームを用いた疾患の診断・治療】 間葉系幹細胞由来のエクソソームを用いた疾患治療の可能性
勝田 毅
1
,
落合 孝広
1国立がん研究センター研究所 分子細胞治療研究分野
キーワード:
mRNA
,
遺伝子組換え
,
細胞間コミュニケーション
,
疾患
,
疾患モデル(動物)
,
心筋疾患
,
神経系疾患
,
腎臓疾患
,
細胞移植
,
MicroRNAs
,
エクソソーム
,
間葉系間質細胞
,
多分化能
Keyword:
Cell Communication
,
Disease Models, Animal
,
Disease
,
Kidney Diseases
,
Nervous System Diseases
,
Cardiomyopathies
,
RNA, Messenger
,
Recombination, Genetic
,
Cell Transplantation
,
MicroRNAs
,
Exosomes
,
Mesenchymal Stromal Cells
pp.57-63
発行日 2012年12月22日
Published Date 2012/12/22
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エクソソームは哺乳類の各種細胞から分泌される膜小胞であり,細胞間相互作用において重要な役割を持つ.エクソソームにはタンパク質,microRNA,mRNAなどが含まれ,由来する細胞種によってその機能は多岐にわたる.エクソソームは基本的に細胞の性質を反映した機能を持つことから,細胞が自身の役割を遂行するうえで用いる道具と見なすことができる.この解釈に立つと,幅広い疾患に対する細胞治療のソースとして注目されている間葉系幹細胞(MSC)が分泌するエクソソームにも様々な疾患に対する治療効果が備わっている可能性が期待される.本稿では,MSCのエクソソームの生物学的意義とその疾患治療への応用と課題について概説する.
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