特集 "多才"なマクロファージと疾患との関わり
がんとマクロファージ TAMについて
菰原 義弘
1
,
竹屋 元裕
1熊本大学 大学院生命科学研究部細胞病理学分野
キーワード:
病的血管新生
,
細胞間コミュニケーション
,
細胞分化
,
腫瘍
,
腫瘍マーカー
,
マクロファージ
,
免疫寛容
,
STAT3転写因子
,
細胞増殖
,
CD11b抗原
,
分子標的治療
,
腫瘍微小環境
,
CD68抗原
Keyword:
Cell Communication
,
Cell Differentiation
,
Immune Tolerance
,
Macrophages
,
Neovascularization, Pathologic
,
Neoplasms
,
Biomarkers, Tumor
,
CD11b Antigen
,
STAT3 Transcription Factor
,
Cell Proliferation
,
Molecular Targeted Therapy
,
Tumor Microenvironment
,
CD68 Antigen, Human
pp.1242-1247
発行日 2012年10月22日
Published Date 2012/10/22
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がん組織内にマクロファージをはじめとする多数の免疫担当細胞が見られることは,古くから知られた事実である.近年,マクロファージをM1/M2と2つのタイプに分類する新たな概念が登場し,腫瘍随伴マクロファージ(TAM)の役割が徐々に明らかになりつつある.特に,ヒトのがんではM2に分化したTAMがいわゆる“悪玉マクロファージ”としてがんの進展に寄与している.M2に分化したTAMは,これまでの基礎研究から血管新生や免疫抑制,がん細胞の活性化に深く関わっていると考えられる.本稿では,がんにおけるTAMの役割について具体的に述べていきたい.
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