特集 新たながん治療戦略の鍵を握るPD-1抗体:がん免疫療法が、がんを制する
【第1部】PD-1抗体の基礎 抗PD-1/PD-L1抗体の抗がん作用機序と抗腫瘍効果
岩井 佳子
1
1産業医科大学 医学部分子生物学講座
キーワード：
Cytokines
,
シグナルトランスダクション
,
蛍光抗体法
,
抗腫瘍剤
,
疾患モデル(動物)
,
腫瘍
,
腫瘍転移
,
リガンド
,
免疫寛容
,
T細胞
,
転写活性化
,
ノックアウトマウス
,
細胞増殖
,
Programmed Cell Death 1 Receptor
,
CD274抗原
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Disease Models, Animal
,
Fluorescent Antibody Technique
,
Immune Tolerance
,
Ligands
,
Neoplasm Metastasis
,
Neoplasms
,
T-Lymphocytes
,
Signal Transduction
,
Cytokines
,
Transcriptional Activation
,
Mice, Knockout
,
Cell Proliferation
,
Programmed Cell Death 1 Receptor
,
B7-H1 Antigen
pp.1028-1031
発行日 2014年9月22日
Published Date 2014/9/22
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がん患者ではがん抗原に特異的な細胞傷害性T細胞が存在するにもかかわらず，十分な機能を発揮できないことが知られている．免疫抑制受容体PD-1は活性化したT細胞に発現してT細胞の機能を抑制する．多くのがん細胞はPD-1リガンド（PD-L1）を発現することによって，PD-1を介してがんを攻撃するT細胞に対して，その機能を抑制するシグナルを送り，宿主の免疫監視機構から巧妙に逃れる．ウイルスもPD-1/PD-L1シグナルを介した免疫逃避機構を利用していることから，抗PD-1/PD-L1抗体を用いた免疫療法はがんだけでなく，ウイルス性肝炎などの治療への応用も期待される．
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