特集 疾患エクソソーム:病をもたらすパンドラの箱がいま開かれる
【第1部:疾患とエクソソーム】 消化器疾患におけるmicroRNA・エクソソームの役割
藏重 淳二
1
,
三森 功士
1九州大学病院別府病院 外科
キーワード:
生物学的マーカー
,
胃腫瘍
,
腫瘍遺伝子発現調節
,
細胞間コミュニケーション
,
消化器疾患
,
大腸腫瘍
,
間質細胞
,
遺伝子発現プロファイリング
,
MicroRNAs
,
エクソソーム
,
腫瘍微小環境
Keyword:
Cell Communication
,
Digestive System Diseases
,
Stomach Neoplasms
,
Colorectal Neoplasms
,
Biomarkers
,
Gene Expression Regulation, Neoplastic
,
Stromal Cells
,
Gene Expression Profiling
,
MicroRNAs
,
Exosomes
,
Tumor Microenvironment
pp.40-43
発行日 2012年12月22日
Published Date 2012/12/22
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microRNA( miRNA)は 18〜 25塩基からなる低分子 RNAであり,がんの発生・進展・転移のあらゆる局面に関わることが知られている.近年,血中などを循環する分泌型 miRNAは,膜小胞であるエクソソームに含有されることでRNaseから守られ,安定して存在していることが報告され,新しいバイオマーカーや細胞間コミュニケーションの手段として注目されている.これまでがんとがん間質の相互作用についてはサイトカインやケモカインの作用を中心に研究が進められてきたが,エクソソームが消化器がんにおける“がん・間質相互作用”に重要な役割を担っているのではないかと考えられる.エクソソームを介した miRNAの細胞間での伝達機構は,新しいがん浸潤・転移の治療標的になりうると考えられ,今後の治療へとつながることが期待される.
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