特集 血液脳関門:BBBの概念提唱から百年の時を越えて捉えたその実体
脳内アミロイドβクリアランスにおける血液脳関門排出輸送分子機構とその破綻
伊藤 慎悟
1
,
大槻 純男
,
寺崎 哲也
1熊本大学 大学院生命科学研究部(薬学系)
キーワード:
Alzheimer病
,
Amyloid Beta Peptides
,
Insulysin
,
加齢
,
危険因子
,
血液脳関門
,
ATP-Binding Cassette Transporters
,
酸化ストレス
,
タンパク質輸送
,
新薬開発
,
LDL-Receptor Related Protein 1
,
分子標的治療
Keyword:
Alzheimer Disease
,
Aging
,
Blood-Brain Barrier
,
Insulysin
,
Risk Factors
,
Amyloid beta-Peptides
,
ATP-Binding Cassette Transporters
,
Oxidative Stress
,
Protein Transport
,
Low Density Lipoprotein Receptor-Related Protein-1
,
Drug Discovery
,
Molecular Targeted Therapy
pp.965-970
発行日 2013年8月22日
Published Date 2013/8/22
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血液脳関門(BBB)は脳内環境の恒常性維持に関与し,その破綻によって蓄積する物質が神経変性疾患の発症と病態の進行に関与する.アルツハイマー病(AD)においてもBBBは病因物質であるアミロイドβペプチド(Aβ)を排出する機能を有し,脳内Aβクリアランスに関与している.さらに,その排出輸送はAD発症の危険因子である加齢や酸化ストレスによって低下する.したがって,BBBにおけるAβ排出輸送機構の解明は発症機序に基づく新たなAD根本治療薬の開発につながるものと期待される.本稿では,脳内Aβクリアランス機構としてのBBB排出輸送分子機構と排出輸送を標的とした新たなAD治療薬としての可能性について概説する.
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