免疫性神経疾患 新たな治療戦略に向けて
血液脳関門・血液神経関門
神田 隆
1
1山口大学 大学院医学系研究科神経内科学
キーワード:
血液脳関門
,
血管内皮
,
細胞接着
,
MRI
,
自己免疫疾患
,
神経系疾患
,
白血球
,
微小循環
,
ATP-Binding Cassette Transporters
,
内皮細胞
,
血液神経関門
,
病態生理
Keyword:
Blood-Brain Barrier
,
Autoimmune Diseases
,
Cell Adhesion
,
Endothelium, Vascular
,
Leukocytes
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Nervous System Diseases
,
Microcirculation
,
ATP-Binding Cassette Transporters
,
Endothelial Cells
,
Blood-Nerve Barrier
pp.846-851
発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010193476
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近年、MRIの普及により血液脳関門の破綻が目にみえる形で呈示されるようになったことと、血液脳関門での炎症細胞浸潤を直接的にコントロールする薬物であるnatalizumabの出現により、自己免疫性神経疾患における血液脳関門についての関心は飛躍的に増したといってよい。本稿では、まず血液脳関門・血液神経関門の基本的な構造とその分子背景について簡単に言及したあとに、血液脳関門・血液神経関門の破綻と自己免疫性神経疾患の病態について、最近得られた知見を中心に概説する。血液脳関門・血液神経関門は単なる障壁ではない。神経系に対する物質透過を選択するシステムであり、また、新たな治療法の標的でもある。
©Nankodo Co., Ltd., 2010