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イヌ,ネコの認知症はヒトのモデルとなるか?
チェンバーズ・K.・ジェームズ
1
,
徳田 隆彦
1東京大学 大学院農学生命科学研究科
キーワード:
Alzheimer病
,
Amyloid Beta Peptides
,
加齢
,
疾患モデル(動物)
,
認知症
,
認知症-血管性
,
ニューロン
,
免疫組織化学
,
Tau Proteins
,
アミロイド斑
,
大脳
Keyword:
Alzheimer Disease
,
Aging
,
Dementia
,
Disease Models, Animal
,
Immunohistochemistry
,
Neurons
,
Dementia, Vascular
,
Amyloid beta-Peptides
,
tau Proteins
,
Cerebrum
,
Plaque, Amyloid
pp.299-301
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017338872
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サルやイヌなどの多くの哺乳動物では,アミロイドβ(Aβ)蛋白のアミノ酸配列がヒトと相同であり,加齢によって大脳皮質に老人斑が出現するが,マウスなどのげっ歯類およびネコ科動物ではAβ蛋白の配列がヒトと異なり,老人斑は形成されない.老齢イヌでは,大脳にAβ沈着を伴う血管病変や白質のミエリン脱落が出現し,ヒトの血管性認知症に類似した病態モデルであると考えられる.老齢のネコ脳では,ネコ型のAβは線維性の凝集物を形成しないが,神経細胞内においてオリゴマー化し,神経原線維変化を促進する.また,ヒトのAlzheimer病(AD)と同様に神経原線維変化が形成され,それにより海馬の神経細胞が脱落する.
©Nankodo Co., Ltd., 2017