特集 アルツハイマー病の根本治療に向けた研究最前線
アルツハイマー病の分子病態とApoE
道川 誠
1
1名古屋市立大学 大学院医学研究科病態生化学
キーワード:
Alzheimer病
,
Amyloid Beta Peptides
,
Apolipoproteins E
,
Cholesterol
,
HDL Lipoproteins
,
学習
,
血液脳関門
,
脂質代謝
,
ミトコンドリア
,
ノックアウトマウス
,
タンパク質アイソフォーム
,
Apolipoprotein E4
,
タンパク質相互作用ドメインとモチーフ
Keyword:
Alzheimer Disease
,
Blood-Brain Barrier
,
Apolipoproteins E
,
Cholesterol
,
Learning
,
Lipoproteins, HDL
,
Mitochondria
,
Amyloid beta-Peptides
,
Mice, Knockout
,
Protein Isoforms
,
Lipid Metabolism
,
Protein Interaction Domains and Motifs
,
Apolipoprotein E4
pp.1139-1142
発行日 2012年9月22日
Published Date 2012/9/22
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
アポリポタンパク質E(ApoE)の対立遺伝子ε4は,アルツハイマー病の危険因子である.ApoEε4がコードするタンパク質ApoE4の分子病態発現における役割について複数の作用点が指摘されているが,いまだに治療法開発に至ったものはない.ApoEは299のアミノ酸から成る34kDaのタンパク質であり,ApoE2,ApoE3,ApoE4の3つのアイソフォームが存在し,それぞれアミノ酸1つの違いにより区別される.これらアミノ酸の違いが,構造の違いを生み,アイソフォーム特異的な機能・作用の違いを生じると考えられる.この総説では,ApoEの構造と機能の関連,近年注目されているAβクリアランスならびに血液脳関門形成・機能維持におけるApoE作用などを中心に概説する.
Copyright © 2012, Gakken Medical Shujunsha Co., Ltd. All rights reserved.