特集 "多才"なマクロファージと疾患との関わり
制御性ミエロイド(Mreg)細胞による腸管炎症制御
香山 尚子
1
,
竹田 潔
1大阪大学 大学院医学系研究科感染免疫医学講座免疫制御学
キーワード:
Interleukin-10
,
シグナルトランスダクション
,
顆粒球
,
細胞分化
,
樹状細胞
,
腸炎
,
腸粘膜
,
マクロファージ
,
免疫寛容
,
T細胞
,
粘膜免疫
,
STAT3転写因子
,
FOXP3 Protein
Keyword:
Cell Differentiation
,
Dendritic Cells
,
Enterocolitis
,
Immune Tolerance
,
Granulocytes
,
Intestinal Mucosa
,
Macrophages
,
T-Lymphocytes
,
Signal Transduction
,
Interleukin-10
,
Immunity, Mucosal
,
STAT3 Transcription Factor
pp.1215-1219
発行日 2012年10月22日
Published Date 2012/10/22
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がんや感染症をはじめとした炎症を伴う疾患において特異的に誘導される免疫抑制性のミエロイド系細胞は,多様な分子機構により自然免疫系および獲得免疫系を負に制御し,病態進行・増悪要因となることが明らかになり,多様な疾患の治療標的として注目を集めている.一方,健常個体の腸管組織に存在する制御性ミエロイド(Mreg)細胞はこれまでに報告されている抑制性のミエロイド系細胞とは異なるIL-10/STAT3シグナル依存的分子機構によりエフェクターT細胞の増殖活性化を抑制することで腸管免疫系の恒常性維持に深く関与することが明らかとなった.今後,Mreg細胞を標的とした炎症性腸疾患治療法の開発が期待される.
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