特集 IL-20以降の新しいインターロイキンの機能と関連疾患
抑制性サイトカインIL-10とIL-35による免疫反応の恒常性維持
溝口 出
1
,
樋口 要
,
大塚 裕美
,
善本 隆之
1東京医科大学医学総合研究所 免疫制御研究部門
キーワード:
Interleukin-10
,
シグナルトランスダクション
,
感染
,
細胞分化
,
腫瘍
,
ホメオスタシス
,
マクロファージ
,
免疫寛容
,
キラーT細胞
,
調節T細胞
,
免疫調節
,
Interleukin 27
,
Th17細胞
,
Interleukin 35
Keyword:
Cell Differentiation
,
Immune Tolerance
,
Homeostasis
,
Macrophages
,
Infection
,
Neoplasms
,
T-Lymphocytes, Cytotoxic
,
Signal Transduction
,
Interleukin-10
,
T-Lymphocytes, Regulatory
,
Immunomodulation
,
Th17 Cells
,
Interleukin-27
,
Interleukin-35, Human
pp.765-771
発行日 2012年6月22日
Published Date 2012/6/22
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生体内の免疫反応の恒常性は,免疫細胞の活性化と,制御性T(Treg)細胞や誘導性Treg(iTreg,Tr1)細胞,IL-10,TGF-β,IL-35などの抑制性サイトカインによる免疫活性化の制御のバランスにより保たれている.IL-10は,Tr1細胞への分化誘導にも重要で,腸内環境の恒常性維持や炎症反応の収束に関与しているのみならず,CD8+T細胞に作用して抗腫瘍免疫を増強することも以前から知られている.IL-35は,Treg細胞から産生され,Treg細胞が最大の免疫抑制活性を発揮するのに必須で,ナイーブT細胞からTreg細胞(iTr35細胞)への分化も誘導する.本稿では,このようなIL-10とIL-35に関する最新の情報について概説する.
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