特集 活性酸素シグナル制御とレドックスホメオスタシス
感染防御応答における活性酸素生成とシグナル伝達
住本 英樹
1
1九州大学 大学院医学研究院生化学分野
キーワード:
Nitrogen Oxides
,
シグナルトランスダクション
,
活性酸素
,
好中球
,
細胞運動
,
細胞分化
,
食作用
,
マクロファージ
,
T細胞
,
NAD(P)H Oxidase (H2O2-forming)
,
Neutrophil Cytosol Factor 67K
,
p22-phox
,
感染防御機構
Keyword:
Cell Differentiation
,
Cell Movement
,
Macrophages
,
Neutrophils
,
Nitrogen Oxides
,
Phagocytosis
,
T-Lymphocytes
,
Signal Transduction
,
Reactive Oxygen Species
,
NADPH Oxidases
,
Neutrophil Cytosol Factor 67K
pp.181-186
発行日 2012年1月22日
Published Date 2012/1/22
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細菌や真菌に対する感染防御のために私たちの体は活性酸素(ROS)をうまく利用している.食細胞の1つである好中球は,これらの微生物侵入部位に遊走し,微生物を認識・貪食し殺菌するが,この殺菌において食作用時に活性化されたNADPHオキシダーゼ(Nox)が生成するROSが持つ殺菌能が必須の役割を果たす.また,Noxが生成するROSはシグナル伝達分子としても働くと考えられるが,例えば,好中球自身に働いて生物侵入部位への遊走を制御したり,あるいはT細胞分化へ関与する可能性が提唱されている.ここでは感染防御応答におけるROS生成とシグナル伝達について,最新の知見をもとに概説したい.
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