特集 Hippo pathway:癌・細胞死・再生の新たな鍵を握る器官サイズ制御シグナル
マウス初期胚発生におけるHippo pathwayの役割
佐々木 洋
1
,
平手 良和
1熊本大学発生医学研究所 分化制御分野
キーワード:
シグナルトランスダクション
,
外胚葉
,
着床
,
変異系マウス
,
発生遺伝子発現調節
,
胚性幹細胞
,
胚発生
,
内部細胞塊
,
Leukemia Inhibitory Factor
,
Transcriptional Enhancer Factor 1
,
Transcriptional Enhancer Factor-4
,
多分化能
,
Drosophila Hpo Protein
Keyword:
Ectoderm
,
Mice, Mutant Strains
,
Embryo Implantation
,
Signal Transduction
,
Gene Expression Regulation, Developmental
,
Embryonic Development
,
Embryonic Stem Cells
,
Leukemia Inhibitory Factor
,
Blastocyst Inner Cell Mass
,
Hpo Protein, Drosophila
pp.935-940
発行日 2011年8月22日
Published Date 2011/8/22
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Hippo pathwayは,成体において臓器サイズの制御や細胞増殖の制御に関わる,新しい癌抑制シグナル経路として注目されている.しかし,マウスの初期胚発生においてはより多面的な働きをしている.着床前胚では,栄養外胚葉と内部細胞塊( ICM)という 2つの細胞種の位置依存的な細胞分化を制御し, ICMから由来する胚性幹細胞では, LIFシグナルの下流で幹細胞性の維持に関わっている.着床後の胚では,細胞増殖と脊索の分化などを担っている.このように Hippoシグナルは,初期胚発生において多面的な役割を持った重要な発生制御シグナルとして働いている.
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