特集 生物リズムの発振機構:生命の時間をデザインする
万能細胞の生物時計デザイン
八木田 和弘
1
1京都府立医科大学 大学院医学研究科神経生理学部門
キーワード:
細胞分化
,
周期性
,
胚性幹細胞
,
iPS細胞
,
核の再プログラミング
,
概日時計
Keyword:
Cell Differentiation
,
Periodicity
,
Embryonic Stem Cells
,
Circadian Clocks
,
Induced Pluripotent Stem Cells
,
Cellular Reprogramming
pp.1288-1292
発行日 2011年11月22日
Published Date 2011/11/22
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ES細胞や iPS細胞などのいわゆる万能細胞は,時間軸とは無関係な,言わば「無時間」の状態で生きている.しかし,細胞分化や器官発生が開始されると,時間軸に沿った個体として後戻りできない一生が始まる.これ以降,時間情報を取り込み利用できるように生命機能の制御メカニズムが構築されていく.最近,生命における時間制御機構の中心をなす概日時計を, ES細胞からin vitro での分化誘導培養によって個体発生を経ずに再現し,リプログラミングによって再消失させることに成功した.本稿では,概日時計の形成という現象を中心に,万能細胞における生物時計デザインについて解説したい.
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