特集 変わりゆく発生工学の今:核移植クローン・遺伝子改変の技術革新からヒト化実験動物の開発まで
ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)
真下 知士
1
,
芹川 忠夫
1京都大学 大学院医学研究科附属動物実験施設
キーワード:
Immunoglobulins
,
亜鉛フィンガー
,
異種移植
,
胸腺
,
遺伝子改変動物
,
重症複合免疫不全症
,
iPS細胞
,
Nuclease
,
人工酵素
Keyword:
Immunoglobulins
,
Thymus Gland
,
Transplantation, Heterologous
,
Zinc Fingers
,
Severe Combined Immunodeficiency
,
Animals, Genetically Modified
,
Induced Pluripotent Stem Cells
pp.296-301
発行日 2012年2月22日
Published Date 2012/2/22
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近年,ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)と呼ばれる人工ヌクレアーゼにより,シロイヌナズナ,ショウジョウバエ,ゼブラフィッシュ,ラットなどこれまで遺伝子改変技術が利用できなかった動植物において,標的とする遺伝子を改変することが可能となった.マウス/ラットでは,簡便,短期間(約4〜 6カ月),低コストで,あらゆる系統にゲノム編集を行うことができるすぐれた技術として注目されている.本稿では,①ZFN技術を利用して開発した重症免疫不全SCIDラットについて,②SCIDラットにヒト細胞・組織などを移植したヒト化ラットについて紹介する.ZFN技術はマウス,ラットだけでなく,ウサギ,ブタ,サルなどの中・大動物におけるゲノム編集,ES/iPS細胞における遺伝子治療,再生医療への応用などにも利用価値が広がっている.
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