特集 腸炎・腹膜炎を読み解く ―病態と画像所見の対比
腹膜炎と鑑別診断の画像診断
井上 明星
1
1滋賀医科大学放射線医学講座
キーワード:
腹膜炎
,
消化管穿孔
,
骨盤腹膜炎
,
結核性腹膜炎
,
腹膜播種
Keyword:
腹膜炎
,
消化管穿孔
,
骨盤腹膜炎
,
結核性腹膜炎
,
腹膜播種
pp.1153-1163
発行日 2023年9月25日
Published Date 2023/9/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000004867
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● 腹膜炎の画像所見として,血流の増加,血管透過性の亢進および組織液の増加を反映した平滑な腹膜肥厚,腹膜の造影効果亢進,脂肪織濃度上昇,不自然な腹水に加えて,消化管蠕動運動の低下が挙げられる.
● 画像検査の重要な役割は,腹膜炎の原因疾患の同定であるが,病変の広がりを診断することも大切である.
● 腹膜炎の鑑別診断には結核性腹膜炎,原発性あるいは続発性の腹膜腫瘍が含まれ,これらの疾患では腹膜は粒状,結節状の肥厚をきたし,網目状や網状の脂肪織濃度上昇を呈する.
● 特発性細菌性腹膜炎やA群溶血性連鎖球菌による原発性腹膜炎などでは,画像検査で原因を指摘できないため,腹水検査が診断に必須である.
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