特集 腹膜炎・腹水に対する診療の進歩
2 .感染性腹膜炎・腹水の診療(4) 骨盤腹膜炎
秋山 育美
1
,
甲賀 かをり
1
1東京大学医学部附属病院女性診療科・産科
キーワード:
骨盤腹膜炎
,
クラミジア
,
膿瘍
Keyword:
骨盤腹膜炎
,
クラミジア
,
膿瘍
pp.989-991
発行日 2019年6月20日
Published Date 2019/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000847
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骨盤内炎症性疾患(pelvic inflammatory disease;PID)は子宮頸管より上部の生殖器の感染症であり発熱や腹痛など多彩な症状を呈する.若年,複数の性的パートナー,子宮内避妊具の挿入,PID の既往などがリスク因子である.原因はクラミジア,淋菌などの性感染症や,膣,頸管の常在菌である.診断は産婦人科診療ガイドラインやCDC の診断基準を参考に,自覚症状,採血や画像などで総合的に判断する.基本的には抗菌薬投与で改善することが多く,クラミジアが起炎菌の場合,マクロライド系またはキノロン系の抗菌薬を投与する.外来通院で改善することが多いが,膿瘍を形成するなど難治性症例では外科的治療が必要となることもある.
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