特集 腹膜炎・腹水に対する診療の進歩
2 .感染性腹膜炎・腹水の診療(3) 結核性腹膜炎
藤川 博敏
1
,
有間 修平
3
,
宇野 昭毅
1
,
三松 謙司
2
,
松岡 俊一
3
,
森山 光彦
3
1独立行政法人地域医療推進機構横浜中央病院消化器肝臓内科,内視鏡センター
2独立行政法人地域医療推進機構横浜中央病院外科
3日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科
キーワード:
結核性腹膜炎
,
ADA
,
腹腔鏡
Keyword:
結核性腹膜炎
,
ADA
,
腹腔鏡
pp.981-988
発行日 2019年6月20日
Published Date 2019/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000846
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結核性腹膜炎(tuberculous peritonitis)はまれな疾患であるが,急性腹症や不明熱の精査中に診断されることがあり,婦人科悪性疾患と鑑別を要することがある.診断には腹水からの結核菌の同定(培養,PCR)が必要であるが,検出率は低く,腹水中のADA値が補助診断として有効である.腹水からの結核菌の同定が診断のゴールドスタンダードであるが,腹腔鏡下でのマクロ所見,検体からの直接的な結核菌の検出,病理診断で確定診断される.治療は抗結核薬に準じ,血中のCA125が治療の指標になる.臨床の現場で腹膜炎疑いで,内科,外科,婦人科,救急で診療することがあり,臨床医は知っておくべき疾患の一つである.
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