画像診断と病理
縦隔原発混合型胚細胞腫瘍
井浦 孝紀
1
,
吉川 仁人
1
,
原田 太以佑
1
,
工藤 與亮
1
,
清水 亜衣
2
,
松野 吉宏
2
1北海道大学病院放射線診断科
2北海道大学病院病理診断科
pp.776-777
発行日 2020年6月25日
Published Date 2020/6/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000001760
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症例は10歳台,男性.息苦しさと左胸痛を自覚,胸部単純X線写真(非提示)で縦隔腫瘍が疑われた.造影CTでは,前縦隔に12cm大の境界明瞭で分葉状形態を示す腫瘤を認め,内部は不均一な造影効果を示し,不整形な石灰化が散見された他,脂肪の吸収値を示す小構造が認められた.MRIでは,T2強調像で大部分は不均一な高信号を示し,大小の嚢胞成分を伴っていた.また,脂肪抑制T1強調像で病変の一部に地図状の高信号域を認め,出血が疑われた.腫瘍マーカーは,hCG-β 131.1mIU/ml(正常値<0.5mIU/ml),AFP 9077.7ng/ml(1.0 ~10.0ng/ml)といずれも異常高値であった.以上の画像所見および臨床情報から,混合型胚細胞腫瘍を強く疑った.なお,精巣には腫大や左右差を認めなかった.
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