特集 進展経路からアプローチする頭頸部癌の画像診断
6. 下咽頭癌に関連する進展経路 6.2 甲状舌骨膜・上喉頭神経血管束を介した喉頭外軟部組織進展
和田 武
1
,
田中 宏子
2
1千葉大学医学部附属病院放射線科
2がん研究会有明病院画像診断部
キーワード:
甲状舌骨膜
,
上喉頭神経血管束
,
喉頭外軟部組織進展
Keyword:
甲状舌骨膜
,
上喉頭神経血管束
,
喉頭外軟部組織進展
pp.874-875
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000001218
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甲状舌骨膜は舌骨と甲状軟骨との間に張り,喉頭軟骨を吊り上げる線維性膜のことである.喉頭上部を栄養する上喉頭動脈と,知覚を担当する上喉頭神経内枝(内喉頭神経)から形成される上喉頭神経血管束は,甲状舌骨膜の後外側部を貫通して喉頭内へと分布する.傍声帯間隙に進展した下咽頭癌が,この上喉頭神経血管束の走行に沿って喉頭外軟部組織に直接進展(T4a)することがあり,内視鏡での観察は困難なため,画像診断の意義は大きい.また,神経血管束にはリンパ路も含まれ,レベルIIIリンパ節転移を来す場合もある(図4参照).
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