特集 進展経路からアプローチする頭頸部癌の画像診断
6. 下咽頭癌に関連する進展経路 6.1 甲状披裂間隙を介した傍声帯間隙進展
和田 武
1
,
田中 宏子
2
1千葉大学医学部附属病院放射線科
2がん研究会有明病院画像診断部
キーワード:
甲状披裂間隙
,
傍声帯間隙進展
Keyword:
甲状披裂間隙
,
傍声帯間隙進展
pp.872-873
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000001217
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甲状披裂間隙(thyroarytenoid gap)は,甲状軟骨側板と披裂軟骨との間にある間隙のことで,梨状陥凹前壁は甲状披裂間隙を介して傍声帯間隙と接している.下咽頭梨状陥凹癌の甲状披裂間隙を介した傍声帯間隙への進展は,代表的な粘膜下進展様式であり,内視鏡的には確認困難な場合があるので,画像評価が重要である.また,傍声帯間隙は甲状軟骨側板に沿って声門上下への進展の経路となる点や,豊富なリンパ網によるリンパ節転移を来しうる点にも注意が必要である.近年では,内視鏡的切除術や経口的切除術などの喉頭機能温存手術が早期癌に対して適応される機会が多くなってきており,治療方針の決定のためにも正確な進展範囲の評価が特に重要である.
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